複雑ついでに私の中の複雑を。


手放しに喜ばれた事があります。
それはほんの些細な事。
でも、私の中ではちゃんと区切りをつけて、けじめを持った上での行動が、その時否定されて、他人が喜ぶ結果に繋がりました。



彼のところに居た時の話です。
２週間、彼に会いに行って良いと言われたのです。
約束は２週間。
その２週間は、次に逢う時間を取るために、設定したものでした。
戻ってから私は実家でしたい事があった。
何より両親との約束を守りたかった。
もう少しで家族と離れて暮らすようになるのを踏まえて。
出来る事をしておきたかった。

それが、彼が帰って欲しくないと言う理由で、実家に帰る日取りを一週間伸ばしたのです。
彼が、直接両親に連絡をとって。
両親は彼を信頼しているから、断れません。

その後、その事実を知ったその場に居た友人達は、手放しに喜びました。






私は、正直気分が良くなかった。


私が帰るには理由がある。
でも彼の気持ちも分かる。

私の言葉が足りないのがいけなかった。

そう、反省しました。
そして私の理由を分かってくれなかった彼に怒った。




何より、私の滞在の意味を深く考えず、そして実家に戻りたかった理由も知らないのに、手放しに事実のみを喜んだ友人も許せなかった。


友人達にも帰るには理由がある、と伝えたはずだった。
それを残念だと言われた。
帰らないで、淋しいから。


私がここに滞在しているのは、あなたたちの為じゃない。
私の為だ。

たまにしか会えない相手に会えるのは嬉しいだろう。
その相手と遊べるのは嬉しいだろう。

でもそれだけじゃ駄目だ。
私がここに来て滞在するのは、何かを犠牲にしているから成り立っている。


家族との、時間とか。





私が彼に会いに行くのは、心が安定しないから。ただ淋しいだけじゃない。
会えない日が長いと、無意味に死にたくなる。
そんな事、と思われるかもしれない。
でも事実、それが続いて更に首を吊ろうとした。
彼は確かな支えになっていた。
依存かもしれない。



家族や彼に申し訳ないと思う。
一人で立っていられないこんな弱い人間で申し訳ないと。
それでも、そんな私を分かって送り出してくれる家族。
それでも、そんな私を分かって受け入れてくれる彼。



そんな深い理由でここまで来ている。

遊びに来ていると思われても仕方無いと思う。
だから遊びに誘うのも分かる。


でもね、私はまだ元気じゃないよ？
まだ不安定に不安定を重ねて苦しいよ？
少し、無理をして笑っているよ？



あの時の私は帰りたかった。
彼の事は怒った。
家族の心うちを思うと、申し訳なさでいっぱいだった。



結果、次の滞在時期は遅れ、滞在期間も短くなった。
わたしは期間を決め、定期的に彼の元に行くように計画していたのに。


友人を怒る事は無かった。
知らなかったのだからと言い聞かせた。
代わりに信用を無くした気がした。
もう私の気持ちを打ち明けることは無いかもしれない。



きっとこれから先、この友人達とは付き合いが長くなると思う。
彼は仲がいいから。
私も良いと思うから。
だから先に入籍の件は話すべきなのだろう。


でも、私は友人達へ入籍の件を報せるのは先伸ばしにしたい。

きっと純粋に喜ぶだろう。
こちらに来られて良かったと。

私の中の、
住み慣れた土地から離れる淋しさや、
不安など知らずに。

祝福は嬉しい。
でも、淋しさや不安を感じているのに、
離れたくて離れた訳ではない土地から離れたのに、




よかったね




は、悲しい。














母親が、言ったんだ。



「淋しくなるね」




私はその淋しさを背負って、嫁ぐ 。
育ててくれた両親から離れるのは淋しい。





私の心は複雑だ。
いつだって複雑だ。



だから、たまにこうやって癇癪を起こす。









今は会いたくない。

あの時の事がしこりに残っている。

彼には伝えた。
複雑な顔をしていた。


私は泣いた。
悲しくて、淋しくて。


頭ごなしの祝福って、悲しいんだね。
覚えておこう。





書かないつもりでいた今の複雑書いちゃったw