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 全く水というものは毛皮にとって天敵としか言いようが無い。

 其れを流すのは快感ではあるが、それでも森の雫達は私の黒毛に容赦してくれない。



--------------->>お説教(Ⅱ)



 黒い髪の毛を、雨露を貯めて沸かした湯で思い切り流す。

――この温度は丁度良い。

くーがはいった形跡は見て取れるけれど、随分と清潔に保たれている。
ー白い毛や匂いが残っているけれど、それはあまりにも微弱なものだ。
あいつは普段はもう言った細かいところにはあまり気を使わないはずだけれど、私が嫌いなのを悟っていつの間にか清潔感がこの家ー小屋と表現すべきかーに漂うようになってきた。

森の雫を流し、長い黒髪を洗い、白いからだも全て自然の水で浄化して。
そのままクイーンは湯船に浸かった。


自然の空気と水。
生まれ育った環境が、まだ残っているのが嬉しい。
そんな事を浴室で良く思う。

木を中心に作られたこの浴室と浴槽は、木の薫りが蒸気と供に鼻腔をくすぐる。



「はーぁ。…はぁ。」


帰ってくるまでのやり取りを思い起こして、軽い溜息が漏れた。
正しいか正しくないかは別として、アレは楽しかった。
それでいて、緊張感のあるやり取りでもあった。


――久しぶりの、実戦での経験を思い出した。


思い起こされた昔の記憶が、クイーンの肌をざわめかせた。
気がつかないうちに、線のような瞳が満月のように開いた。
二つに分かれた尾は濡れていながらふくらみ、
腰から生えている白い羽は戦闘準備に入っている。



「嗚呼、これからは」



ちょっとした悪戯。
でも、これはきっと我々にとってプラスにも成り得る筈なんだ。

指先についた血の跡。
爪の間に入り込んでなかなか取れない。
これを見てあいつは何を言うだろう。


森の薫り、木の香り、水の薫り、そしてくーの残り少ない残り香。
それを胸いっぱいに吸って、いつの間にか戦闘態勢に入っていた肉体や精神は落ち着いてきた。


「FORCE、か。」


王が主催の、国をかけたイベントごと。
そういってしまえばそれまでだけれど。

私は、「現王主催」に興味が湧いた。
肌になじむ湯を手で掬い、そのまま零れ落ちてまだ湯船に戻っていく。
その様は、まるで二年前に起こした事件の存在感が、この大会で薄れてしまっていく様に酷く似ていた。



   『犠牲は不可欠だ。お前も、あいつも。』



決まったレールを走るのはごめんだ。
自分の好きな生き方をして、誰が文句を言えるのか。


握ったこぶしからほんの少しにじみ出た血が、湯船に落ちた頃、香ばしい香りが鼻をくすぐった。


――『今日はオムライスが食べたい!』


そういえばそんなリクエストをしていたなぁ。
チキンが焼けて、ケチャップとあえて香ばしい薫りを放つキッチン。
ここから出るころには、きっと半熟のオムレツが乗ったオムライスが出来ているのだろう。



――実戦や政はあとだ。



腹が減ってはなんとやら!
もう少しだけ、冷えた足先指先を暖めてから、
くーが用意してくれたであろうFORCEの服を着て、
それからオムライスを食べよう。
今日のソースはデミグラスかな、トマトかな、ミートかな。
それとも、昨日ミルクを手に入れたといっていたからクリームだろうか。


心躍らせながら、湯船で手足を伸ばす。




獣人であるが故の、人型になった時の獣臭さ。
それをものともしないこの空間。
私は、それがとても気に入っている。
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>お説教(Ⅱ) 黒い髪の毛を、雨露を貯めて沸かした湯で思い切り流す。――この温度は丁度良い。くーがはいった形跡は見て取れるけれど、随分と清潔に保たれている。ー白い毛や匂いが残っているけれど、それはあまりにも微弱なものだ。あいつは普段" dc:identifier="http://aohy506.blog.shinobi.jp/Entry/436/" /> -->

 チキンライスで薄い卵を包んで、その上に半熟のオムレツを乗せ上がったあたりで、彼女は浴室から出てきた。


「気持ち良かったー!」


先ほどの風貌とはうって変わり、今の彼女は白い肌に、黒い艶の有る長髪。
そして腰からは肌とは違う、純白の白い羽と、二つに別れた尾が見える。


「このワンピース、どうしたの?凄く着心地良い!
 にゃんにゃんにならなくても寒くないし!
 あ、オムライス!しかもスペシャルだー!」


そして人の姿に代わっても変わらないその性格で、彼女はまた言いたい事だけをスラスラと並べ立てていそいそとテーブルの椅子に座った。
その様子を確かめてから、―スプーンとナプキンを弄られないように―絶妙なタイミングで、特製のソースをかけたオムライスを彼女の目の前に置いた。


「んー!んー!
 Koo(くー)のオムライスー!!」


未だ興奮覚めやらぬ彼女を横目に、自分用のホットミルクを、ミルクパンからマグへ移した。
そのまま対面になるように、彼女の目の前に座った。



風呂上りの彼女はきまってだらしない。 髪の毛も濡れたままだし、 気に入ったといったワンピースもぐしゃぐしゃで、 それに食べ方も酷いもので、 半熟のオムレツとチキンライスを口に運ぶ工程で、なぜかきている服にも食わせる。 (本人にそのつもりは無いのだろうが) そんな彼女のために、いつもこの近くには清潔なタオルが用意されている。 そのタオルをもって、彼女の髪を包んで水分をあらかた取ってやる。 そうしたあとは、自然の風に充てておけば大抵は乾いてしまうので、 乾くまでは何もしない。 乾いた、見事なまでのキューティクルな黒髪を、 蒼いバレッタで留めるのも自分では出来ないのでやってやる。 「随分と遅いお帰りだな。」 もう月も隠れてしまうぞ。というと彼女はこともなげにこう言い放った。 「あ、あのね。  FORCEの優勝者のきゃすけっと?さんに逢ったのー。」 ――――場の空気が  一瞬で凍りついた。 言い換えると、自分が凍りつかせたのだが、 それ以上に、自身の銀髪が総毛だったのが分かった。   王主催の大会の、優勝者、だと…? 雰囲気が変わり、目の前の相手が怒っているのを見て取ったクイーンは、流石に怖気づいた。 「あ、あの、くー…ぅ?」 「何だ。」 間髪入れずに返事をしてやる。 その様を見て、思わず黙り込んでしまった彼女。 そのまま目の前のオムライスに逃げ場を求めるようにかぶりついた。 しかしそれは所詮食べ物。 逃げ場はあってないようなものだった。 「何をしたか、理解しているのか。」 自然と声のトーンが下がる。 その声を聞いたクイーンは、耳を垂れ下げている。 ふぅ、と溜息をついて、ホットミルクを一口含んだ。 そして、しばらくの沈黙の後。 「く、くーう、おかわり、いただけ…ます、か?」 ふにゅうぅ。 というつぶやきも込めながら小さく囁いた。 それに無言で皿を受け取り、 おかわり用の食材の前に立った。 あからさまの重い雰囲気。 「クイーン。」 彼女の背中で新しいオムライスを作りながら名を呼ぶ。 顔を向ければ、耳と、二つに分かれた尾があからさまに 反省 してます とでも言いたげに垂れている。 しかし、それを許すわけには行かない。 「我々は今逃げおおせている立場だ。 それをサポートしてくれるお前の存在は凄く大きい。」 今のこの家を探してくれたのも彼女だ。 人里から少し離れた、林にある小さな小屋。 されど城から遠すぎるわけでもなく、情報は絶妙なラインで届いてくる。 また、むこうには個人情報を残してこなかったし、 記録も全て削除してきた。 そして此方からも自分の個人情報を漏らすようなことはしていない。 前のように害のない人間を巻き込むこともせず、 また暗号も合言葉も要らない。 故に、とりあえず安心した生活を送ることが出来ている。 今の言葉で少し安心したのか、耳だけがもたげて来た。 しかし、許したわけでは、ない。 「だからこそ、隠密を得意とする我々が、だ。 そんな目立つ様な行動をとってどうする。」 語気を強くして言い放てば、彼女の耳はまた頭にくっついてしまった。 「お前の特徴は闇には紛れ易いがそれでも人目に触れれば目立つだろう。 しかも相手が、あの王が開催した大会の優勝者、だと? 無用心にも程があるだろうが。」 少しずつ、それでいてまた反省しているであろう気を背中に感じながら、チキンライスを作っていく。 先に細かく切った鶏肉を炒めて、それを皿にだす。 次に冷えた飯を同じフライパンに入れて、 少し火が通ったら油を追加して、 硬い野菜ー例えばにんじんやブロッコリーの芯ーを入れて、 野菜にも火が通ったら、 先ほどあげた鶏肉に下味を軽くつけてからフライパンに戻す。 そうしてトマトソースと胡椒、そして隠し味にしょうゆを入れる。 その香りに少し顔が左に向き気味なのもすべて把握済みだ。 「まったく、現役だったら首をはねられるところだぞ。 Qie(クイエ)。」 当時の呼び名に、彼女は勢い良く振り向いた。(気配がした) きっと彼女の色の違う二つの眼は、 殺さんばかりの勢いで背中を見つめているであろう。 先ほどの自分のように。 チキンライスを薄い卵で包んで、 さらにその上に半熟のオムレツをのせる。 そしてソースとトマト、ミルクを独特の調合で合わせたソースをたらしてやる。 違う深い器には、これまたトマトをふんだんに使ったミネストローネを注ぐ。 なおもにらみつけてくる彼女に、俺はさらに言葉を続けた。 「冷静さを欠くと手に負えないことになり兼ねんぞ。」 「Koo、いえ、Kooreize(くれいざ)。」 彼女もまた、現役の頃の自分の名前を呼んだ。 その目は、懐かしい昔と同じ目をしていた。 おかわりのオムライスとミネストローネを置いて、また目の前に腰を下ろす。 「何だ。」 「慎重に動かなければ成らないのは重々承知。  私をここまで育ててくれたのにも、言葉にしきれないくらい感謝している。  されど、今回ばかりは大胆でも関るべきだと判断した。」 現王が主催の、この大会。 それにそんな価値があるのか。 「あの賞品の盾、FORCEとは違う気を感じた。  優勝者や参加者にも、感じたことの無い気を持っているものもいる。」 「…死神、か?」 クイーンは頭横にふった。 「分からない。けれど、これは興味が湧かない?」 月の様な眼が、自分を射抜く。 それに、と彼女は続けた。 「これ、出してきちゃったしさ。」 そういってテーブルに出された、二つの書類。 「これ、は…!!」 『3rd FORCE エントリー名:静香兎毒』 『3rd FORCE エントリー名:崩藍』 それは、FORCE参加者のエントリーシートだった。 しかも、その名前は…。 「懐かしいでしょう?  王家には残っていない名前。だけど確かに存在する、名前。」 私は上の名前。 故郷の言葉を捩ったの。 そんな彼女の言葉はどうでも良かった。 「お前!これがどういうことか分かっているのか?!  もしかしたら、命に関る可能性だって」 「其れくらいしてもいいと思ったんだもんー。」 軽々しく、こいつは重いことを言う。 「大丈夫だよ、現王は私達のこと、分からないし。  問題は側近とかだけど、なんとかなるよー。」 参加、する。 その事実で様々な可能性が上がってくる。 それだけで頭が一杯になったが、ふっと、考えをひっくりかえしてみた。 「あの子が、どんな王をしているのだろうな。」 銀髪の、小さな王様。 それでも国を治める程のカリスマ。 「興味、でた?」 覚めやらぬうちに、とオムライスに早速かぶりついたクイーンがにこやかに聞いてきた。 「そうだな」 既にさめてしまったミルクを口に運びながら、策をめぐらす。 懐かしい。 もう2年、か。 「参加、してやろうじゃないか。」 日常のスパイス、とは。 つまりこういうことなのだな。 クレイザは外の沈みかけている月を見ながら、妖艶の笑みを浮かべた。 End?

自分で書いてて気に入っちゃったとか内緒。(ぇ

過去記事が何もないのでコレだけでもー…!!って事で。
何か書きやすそう。ココ。

リンクとか色々面倒だと思いますがごめんなさい…
旧まいほっとたいむずからでも飛べるので…(フォローになってない)

であであ!(逃)

火傷
面倒は嫌いだって言ったはずなのに。


目の前の彼女は、
美味しそうに夕飯のオムライスを食べる。


こちらの近況を知らないわけじゃないって言うのに、
まったくのんきなものだ。本当に。




月冴 2 (途中)
風で、緩くぶら下げ留められた重い格子が揺れる。
格子同士がぶつかりあい、独特の音色を奏でる。
この音を聞けば赤子は泣き、
力なきものは怯えるのだろう。
微かな風、
微かな音、
それでも人は、
人外のものが奏でる音に怯える。

しかし、其れでいいのだ。
其れが普通であり、其れが平和なのだ。
明日の生が約束されていようと居まいと、
寝露をしのげる場があろうとなかろうと、
少しでも



としての感性と本能をもってしていれば、怯えて当たり前なのだ。




重い、重い、音が、
石と格子で造られた部屋に響いた。
其のときの心持を、上手く表現できない自分にほんの少しだけ哀しさを見た。




「Rai(レイ)、」



足元に、自身の影が伸びた。
開け放たれた背後の重い鉄扉には、聞きなれた声の男が居る。
しかし、そのままの姿勢は崩さない。
どうせ振り向いたところで、相手の顔は見えない。
今は外の明かりが、此方にむいている。


また、風で格子が鳴った。

それと同時か否か、踵(かかと)の辺りに紙の掠れる音と、鉛と似た鈍音がした。


「次、だ。」


聞きなれた声は、これまた聞きなれた言葉を放つ。
それでも、振り返らない。


顔が 、 見えない 。


理由はそれだけではないのだ。







宵闇 閑話休題
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◆また、使用している素材なども、配布先(素材配布サイト様)からお借りしているものですので、それらの著作権はその配布先管理人様にございます。

勝手に持ち出すようなことはおやめ下さい。

詳しくはMailやコメント等から管理人へご連絡ください。

自己
名:
蒼月 氷牙(アオツキ ヒョウガ)
ROでは朋藍(ホウラン)です
標準では氷牙使ってる
年:
29
性:
女性
誕:
1988/10/06
基本的にO型の大雑把。
社交的らしいけど、チキンなのでそんなこと無いです。(痛)ていうかネガティブの自暴自棄。ww

時々趣味による短文小説ならぬ駄文と詩が書かれるかと思いますのでお気をつけ下さい。


ねりま猫 40頭のSOS!

lifecats100
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