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| × [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 全く水というものは毛皮にとって天敵としか言いようが無い。 其れを流すのは快感ではあるが、それでも森の雫達は私の黒毛に容赦してくれない。 --------------->>お説教(Ⅱ) 黒い髪の毛を、雨露を貯めて沸かした湯で思い切り流す。 ――この温度は丁度良い。 くーがはいった形跡は見て取れるけれど、随分と清潔に保たれている。 ー白い毛や匂いが残っているけれど、それはあまりにも微弱なものだ。 あいつは普段はもう言った細かいところにはあまり気を使わないはずだけれど、私が嫌いなのを悟っていつの間にか清潔感がこの家ー小屋と表現すべきかーに漂うようになってきた。 森の雫を流し、長い黒髪を洗い、白いからだも全て自然の水で浄化して。 そのままクイーンは湯船に浸かった。 自然の空気と水。 生まれ育った環境が、まだ残っているのが嬉しい。 そんな事を浴室で良く思う。 木を中心に作られたこの浴室と浴槽は、木の薫りが蒸気と供に鼻腔をくすぐる。 「はーぁ。…はぁ。」 帰ってくるまでのやり取りを思い起こして、軽い溜息が漏れた。 正しいか正しくないかは別として、アレは楽しかった。 それでいて、緊張感のあるやり取りでもあった。 ――久しぶりの、実戦での経験を思い出した。 思い起こされた昔の記憶が、クイーンの肌をざわめかせた。 気がつかないうちに、線のような瞳が満月のように開いた。 二つに分かれた尾は濡れていながらふくらみ、 腰から生えている白い羽は戦闘準備に入っている。 「嗚呼、これからは」 ちょっとした悪戯。 でも、これはきっと我々にとってプラスにも成り得る筈なんだ。 指先についた血の跡。 爪の間に入り込んでなかなか取れない。 これを見てあいつは何を言うだろう。 森の薫り、木の香り、水の薫り、そしてくーの残り少ない残り香。 それを胸いっぱいに吸って、いつの間にか戦闘態勢に入っていた肉体や精神は落ち着いてきた。 「FORCE、か。」 王が主催の、国をかけたイベントごと。 そういってしまえばそれまでだけれど。 私は、「現王主催」に興味が湧いた。 肌になじむ湯を手で掬い、そのまま零れ落ちてまだ湯船に戻っていく。 その様は、まるで二年前に起こした事件の存在感が、この大会で薄れてしまっていく様に酷く似ていた。 『犠牲は不可欠だ。お前も、あいつも。』 決まったレールを走るのはごめんだ。 自分の好きな生き方をして、誰が文句を言えるのか。 握ったこぶしからほんの少しにじみ出た血が、湯船に落ちた頃、香ばしい香りが鼻をくすぐった。 ――『今日はオムライスが食べたい!』 そういえばそんなリクエストをしていたなぁ。 チキンが焼けて、ケチャップとあえて香ばしい薫りを放つキッチン。 ここから出るころには、きっと半熟のオムレツが乗ったオムライスが出来ているのだろう。 ――実戦や政はあとだ。 腹が減ってはなんとやら! もう少しだけ、冷えた足先指先を暖めてから、 くーが用意してくれたであろうFORCEの服を着て、 それからオムライスを食べよう。 今日のソースはデミグラスかな、トマトかな、ミートかな。 それとも、昨日ミルクを手に入れたといっていたからクリームだろうか。 心躍らせながら、湯船で手足を伸ばす。 獣人であるが故の、人型になった時の獣臭さ。 それをものともしないこの空間。 私は、それがとても気に入っている。 PR COMMENTS
氷牙が準備するの
氷牙が準備するの?
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名: 蒼月 氷牙(アオツキ ヒョウガ) ROでは朋藍(ホウラン)です 標準では氷牙使ってる
年:
36
性: 女性
誕:
1988/10/06
基本的にO型の大雑把。
社交的らしいけど、チキンなのでそんなこと無いです。(痛)ていうかネガティブの自暴自棄。ww 時々趣味による短文小説ならぬ駄文と詩が書かれるかと思いますのでお気をつけ下さい。 ねりま猫 40頭のSOS! lifecats100 恋愛成績表 Mail
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