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自分で書いてて気に入っちゃったとか内緒。(ぇ

過去記事が何もないのでコレだけでもー…!!って事で。
何か書きやすそう。ココ。

リンクとか色々面倒だと思いますがごめんなさい…
旧まいほっとたいむずからでも飛べるので…(フォローになってない)

であであ!(逃)

嘆いたところで始まらない。
迷ったところで生きられるのか。

「父上…母上…。」

足元には、焦げた木材。
きっとその下には、あられもない姿をした両親がいるのかもしれない。
幼い兄弟達も一緒だろうか。

「よく、無事だったなあ。」

同じ村の男が言った。
彼の頭と腕には包帯が巻かれていた。
きっと命からがら逃げてきたのだろう。

「お前の家は村の入り口にあったからなあ。
一番最初に、火が付けられた。」

きっとそうだ。
木が主に使われていたこの家は、よく燃えたに違いない。

「それにしても、むごいことをしやがる。
此処に居るかもしれないと踏んだら、直ぐに行動しやがる。」

その後の台詞は頭に入らなかった。

この後は、どうするか。

その考えしか頭に無かった。
この男の言っていることは、必ずしも正しくは無い。
つまり、疑いをかけて俺の家に火をつけたわけじゃない。
確信があって火をつけたのだ。


数ヶ月前の夜中、父上は大きな怪我を負った男を連れてきた。
その男を見て、母上と俺達は驚いた。
なぜなら、そいつは最近世を騒がせていた犯罪者だったからだ。

『城焼きの クレイザ』

その名と顔は、そこ等じゅうの柱や壁に手配書として張られていた。
確かその時までは、城に対してテロを行った主犯者として記憶していたが。
そんな犯罪者を、人のいい父上は家に連れてきた。
その後も、母上と俺は看病やら何やらで忙しかったのだ。

犯罪者、というレッテルを張られていたクレイザだが、そんなものは人々が勝手に貼り付けたものだと思い知らされた。
怪我がよくなっていくにつれて、幼い兄弟達と一緒に遊ぶようになっていく姿に驚かされたものだ。
最初は警戒こそしていた俺も、だんだんと打ち解けていき、殆ど兄として慕っていた。
しかし、クレイザ本人のことは名前しか教えてもらえなかった。

そしてそのクレイザも、自分の身の上を気にして俺たちの家を出て行った。
出て行ったといっても、父上の希望により近くの森の小屋に移り住んだだけだが。
もしもクレイザ本人のことが落ち着いたら、一緒に住もうと約束をしていたのだ。
いつになっても構わない。
それが父上の願いだった。
きっと、一番最初に死んでしまった兄上の事と重なって見えたのかもしれない。


しかし、今となってはそれは叶わぬ願いだ。


男はいつの間にかその場から居なくなっていた。
俺はクレイザの顔を思い浮かべて、真っ先に森の中へ走った。
夜の森は危険だ。
だが、今はそんな事を考えている余裕は無かった。

―――13本目の紅いリボン。その後黄色いペイントが3つ。

目印を頭で反芻し、幾多の木にぶつかりそうになりながらも走る。
するとやがて、古い小屋が見えてきた。
窓はしっかりと閉まっている。
しかし、ドアの前には白いリースがある。
妹が花で作った、合図のリースだ。
これが架かっているときは、クレイザが小屋の中に居る時。
そのリースが掛かっているドアを勢い良くあけて飛び込んだ。

「サエラ…?!」

飛び込むと、中は意外と明るかった。
そして、驚愕の表情で俺を見上げるクレイザの姿。

「どうした、入るときは合図をすると…」

言いかけて、何かに気が付いたようにクレイザは口を噤んだ。

「…この焦げ臭い匂い…まさか。」

先程の驚愕の色が、急に青ざめていく。
そして2・3度首を振ると、俺の後ろの開け放たれたままのドアを閉め、俺に座るように促した。

「家族が…家がッ…!!」

しかし、俺は座ることをせず、その場で方を振るわせた。
その様子を見て、クレイザが息を呑んだ。

「…すまない。俺を拾ったばかりに。」

そういいながら、肩を抱いてくれる。
そのしぐさが、酷く俺の胸を振るわせた。
抱いた肩が暖かかったのだ。

「ッ…ぁあッ…!」

クレイザの台詞には応えられずに、その場で泣き崩れた。
そんな俺に、クレイザは静かに椅子に座らせてくれ泣き止むまで傍に居てくれた。

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自己
名:
蒼月 氷牙(アオツキ ヒョウガ)
ROでは朋藍(ホウラン)です
標準では氷牙使ってる
年:
35
性:
女性
誕:
1988/10/06
基本的にO型の大雑把。
社交的らしいけど、チキンなのでそんなこと無いです。(痛)ていうかネガティブの自暴自棄。ww

時々趣味による短文小説ならぬ駄文と詩が書かれるかと思いますのでお気をつけ下さい。


ねりま猫 40頭のSOS!

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