いっその事
なくすのが嫌なら
そちらを無くせば良い

ひとつ無くす
多くを無くす

選択は安易


取り囲む空気だとか
居心地の良い場所だとか
無条件に泣けるだとか




話したい事もあった
したい事もあった



それでも今は
もう叶わないのでしょう



落ちる空気は今更変えられない

曇りだから 心も曇る
雨だから 心も湿気っぽい


ひとつ
雨音 落ちると
ふたつ
溜め息 落ちる

ふたつ
溜め息 落ちると
みっつ
言葉 落ちる

みっつ
言葉 落ちると
よっつ
心 落ちる


よっつ
心 落ちると
いつつ
後ろ姿 思い出す



ふらふらする頭を支えて ひたすら乾いた音をかき鳴らす
乾いた音はきっと 雨音に代わって鳴り合わせる


ひとつ
後ろ姿 思い出すと



とお
涙 落ちて




ひたすら乾いた音をかき鳴らしながらも その音が届くことは きっと無いのでしょう



例え届いていたとして 私は何と言ってもらいたいのだろう




謙虚さが邪魔をする
欲深さが邪魔をする


消えない痕だけが
正直に責め立てる

きっと一番素直なのは
これだけだ



ひとつ
諦めたら

ひゃく
悲しくなる
虚しくなる


そして何処かで
納得しているのを見て また 泣きたくなる