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 L.K.802 赤の節



「『…本日FORCE(フォルス)1stバトルが終了し!皆の強きFORCE(フォルス)をしかと魅せて頂いた。
私を始めレイランド王国の全ての国民に沢山の夢や勇気そして希望を与えてくれた大地の神タイタンそしてバトラー達に心からの感謝の言葉を贈らせて頂きたい。』 …か。」

ランプの灯りのみで照らされた簡素な二階建ての小屋。
それはまるで周囲の木々に溶け込んでしまうような、そんな木陰のような。


暗闇の森の中でその小屋は、見事に受け入れられている。


そんな印象を抱くような、どこか暖かく、それでいて誰も近づけない様なある二人の住処。



---------------------->>[弐:御説教(おしかり)]



外見はそこまで地味に作られているのに、その内装は二人住むには随分広すぎるものだった。
入ってすぐ左にはキッチン、そして食卓。
そこには食器戸棚や、野菜等をしまう室(むろ)、はたまた肉類を保存するための箱も揃っていた。
キッチンとはまた反対側はリビングで、使い古したようなテーブルとソファが、丁度六人掛けで揃っている。
そこにもアンティークな食器が丁寧に仕舞われた食器戸棚がある。 リビングの一番奥には出窓があり、そこからは朝陽や月が眺められ、出窓の下にも小さなテーブルと椅子がセッティングされていた。

小屋に入ると目の前には階段。
その階段もまた、レイランドの伝統を感じさせるタイルが張られ、住人のこだわりが見られる。


――今宵の月は気紛れだ。


淡い灯りを照らして森の木々の姿を見せてくれると思えば、それはすぐに暗闇に包まれてしまう。


――否、雲が、気紛れなのか。


出窓に肘を立てながら、険しい顔で夜空を見つめる。
その小屋には今、住人は一人しか居なかった。
もう一人は、今日の空模様のように気紛れで、


『ちょっと、お散歩してくるー。』


の一言で、昼過ぎに出て行ったきりまだ戻らない。
何度目かの溜息を、一つ深く吐いたところで、足音が聞こえてきた。

その音に、目を閉じて聞き入る。
其れはその奏でる音を楽しむと同時に、昔からの癖になってしまった。



――軽くて、細かくて、其れで居て繊細な、そんな足音が、する。



暗くて重い人影は、月明かりに自らの銀髪を当てて、音もなくようやく立ち上がった。




「たーだいまぁー!!」

彼女は、下の小扉を勢い良くぶつかり開けた。
そのまま夜露のついた体で先ほどの人影にまとわりついた。


「クイーン、扉が壊れるだろう。」


窘めても彼女は知らん顔でこういってのけた。


「ねぇね、くーぅ。今日の夕飯はオムライスが良い。」


その一言と、ブーツについた黒い毛と雫に、また更に重い溜息をついた。

その前に、風呂にでも入って来い。上がる頃合に出来上がる。」
全部用意してあるから。そういうと、彼女はまた勢い良く、浴室へと走り去るのだった。





next...?
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自己
名:
蒼月 氷牙(アオツキ ヒョウガ)
ROでは朋藍(ホウラン)です
標準では氷牙使ってる
年:
35
性:
女性
誕:
1988/10/06
基本的にO型の大雑把。
社交的らしいけど、チキンなのでそんなこと無いです。(痛)ていうかネガティブの自暴自棄。ww

時々趣味による短文小説ならぬ駄文と詩が書かれるかと思いますのでお気をつけ下さい。


ねりま猫 40頭のSOS!

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